研究課題
本研究の目的は、英語学習者のライティングにおけるさまざまなテクスト特性や学習者の持つ言語知識がライティング評価にどの程度寄与するかについて調査し、ライティング力の構成要素に関するモデル構築を行うことである。本研究結果は、ライティングの指導や評価でどのような点を重視するべきか、また学習者の個人差はどこにあるかについて示唆を与えると期待される。平成30年度の研究実績概要は、以下である。1) 平成27~29年度に収集した日本人大学生約200人分のデータに対し、テクスト特性(流暢性、統語的複雑性、語彙的複雑性、正確性)のコーディングやスコアの算出を行った上で、階層線形モデルによるモデル構築を行った。また、同データを使用し、8つの統語的複雑性指標について、8つの仮説を立て、Chapelle, Enright, & Jamieson (2008)のアプローチにしたがい、論証により指標の妥当性を検証した。3) ライティング指導の教育実践について論文を執筆し、Routledge社から共著を出版することができた。4) 日本人英語学習者が議論文においてメタディスコースをどのように使用し、どのような問題が見られるかについて、研究結果を論文投稿したところ、Asian EFL JournalのVolume 23, Issue 3.1に掲載された。5) 学習者のライティングにおけるテクスト特性とライティング評価の関係を明らかにするべくメタ分析を行った結果について、John Benjamins社と共著の出版契約を結んでいるが、その論文執筆のため最新の文献を加え再度メタ分析を行った。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
Asian EFL Journal
巻: 23 (3.1) ページ: 26 - 50