| 研究課題/領域番号 |
15K02975
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| 研究機関 | 金沢大学 |
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研究代表者 |
秦 小麗 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 特任准教授 (70714997)
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| 研究分担者 |
中村 慎一 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80237403)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | トルコ石製品 / 生産と流通 / 象嵌技術 / 粘着剤 / 黄河流域 / 王権の成立期 / 地域間動態 / 東西文化交流 |
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| 研究実績の概要 |
初年度の平成27年には研究計画通りに、研究代表者と分担者が二回にわたって中国現地調査を行ったうえに、以下のような研究実績を纏められる。
まず、基礎資料の調査と収集以外、2015度の新発見としては山東省両城鎮遺跡のトルコ石象嵌品、湖北省にある盤龍城楊家湾遺跡から検出された龍形トルコ石象嵌品(2015度中国10大考古新発見)と二里頭遺跡から新たに検出された漆器に嵌めこむトルコ石の観察も行った。そして20年前に発掘された山西省にある陶寺遺跡のトルコ石象嵌品が2015年度に考古報告書の公刊によって詳細な資料を把握した上に、現地での遺物観察を行った。
次に、象嵌技術が早く使われると思われる黄河上流域の甘粛省、青海省の博物館資料調査と馬家窯遺跡の発掘現場の見学を行い、トルコ石象嵌に欠かせない粘着剤の調査も視野に入れて調査とデータ収集を行ったが、現時点での研究資料によると、前に想定したアスファルトだけではなく、動物性粘着剤の可能性もあることが分ったが、科学的な分析がまた行っていないのは今後の課題の一つである。
第三、現時点で把握した資料を分析した上に二通の研究論文を完成した。一つは『夏商都城与文化』二、2015に中国語で、もう一つはUSAの学術雑誌『Asian perspectives』に英語の論文を出して2016年5月公刊される予定である。
第四、国際学会発表について、2015年4月と2016の3月に、サンフランシスコで主催された8０th Annual Meeting SAA(Society For American Archaeology:タイトル：Turquoise Ornaments and Inlay Technology in Ancient China)と香港中文大学に主催された「玉器と王権の誕生」(タイトル：二里頭時代の地域関係と王権の誕生)国際学会で研究発表を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
27年度は本研究の初年度であるが、中国国内の考古学発掘によって新資料の増加は著しく予定の研究計画より最も多い調査すべき遺跡と遺物が増加し、遺物の観察とその資料データの収集が必要となることを見直して研究計画の調整をしながらやっていくことと現地協力者との連絡を緊密に取りながら新な情報を把握していくうえに、調査と研究を順調に進めていくことができた。さらに、国際学会の参加によって現段階の研究成果を口頭発表によってより広い範囲の研究者の意見を得られ、それに沿って次の調査に生かせていくことも大きな要因であると考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
まず、トルコ石製品の資料収集はほぼ完成しているが、その資料の詳細な観察と分析がこれからやっていく課題である。遺物の観察にあたって、実測と写真撮影を行う必要があるが、場合によってできない時があるため、現地協力者との密接な共同研究を図っていく必要がある。
次に、粘着剤のサンプル採集と分析について今後行っていく計画であるが、サンプルの採集とそのサンプルをラポで分析するための基礎データの収集と研究現状を把握した上に、科学考古研究者と積極的に連携してやっていくことが重要である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
計画された研究成果の発表は来年度に延長することによって生じたことである。
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| 次年度使用額の使用計画 |
今年度で国内学会によって研究成果を発表する旅費に使う予定である。
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