研究課題/領域番号 |
15K03184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山口 直也 立命館大学, 法務研究科, 教授 (20298392)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脳科学 / 神経科学 / 認知心理学 / 少年司法 / 厳罰主義 / ローパー判決 / グラハム判決 / ミラー判決 |
研究成果の概要 |
近年の脳科学、神経科学の知見から、人間の脳は、25歳ぐらいまでは器質的にも機能的にも未成熟であるということが明らかにされいる。このことから、米国連邦最高裁は、少年に対する死刑、終身刑を廃止し、いわゆる厳罰主義から離脱する傾向が強まっている。少年の可塑性に立脚した保護主義・教育主義が見直されているのである。人間の脳の発達の過程は人類に共通であり、米国の経験は、わが国の少年司法においても十分に参考に値する 本研究では、米国少年司法を分析したうえで、少年法対象年齢を引き下げて若年者に対する刑罰を拡大する傾向にあるわが国の少年司法制度改革について、脳科学、神経科学の観点から分析した。
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自由記述の分野 |
刑事法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、脳科学・神経科学の知見を背景に少年犯罪者に対する厳罰を回避するとともに、少年法適用年齢を引き上げるなど教育主義への回帰を強める米国少年司法の現状を分析した。そのうえで、人類に共通である若年者の脳の未成熟性の生物学的特徴を脳科学・神経科学の観点から分析するとともに、そのことが、少年犯罪者の帰責可能性、適正手続保障に与える影響について検討した。結論として、少年犯罪の対策において刑罰を重視することはかえって少年の立ち直りを阻害し、ひいては社会にとっても有益ではないことから、少年法適用年齢の引き下げを含む、わが国の厳罰的対応は少年犯罪対策の現代的潮流から外れていることを主張した。
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