研究課題
基盤研究(C)
本研究では、EU法およびドイツ法の議論を基礎に、いわゆる格付機関に関する民事責任規制の在り方を検討した。その結果、とくにEUの格付機関規則35a条の解釈を参考に、わが国の金融商品取引法でも格付機関の民事責任に関して規制が設けられる可能性があることを提言した。実際、ドイツでも格付機関が訴えられた事件もあり、今後はわが国でもEUやドイツのこうした動向を無視できないので、民事責任の構築に向けた議論が望まれる。
会社法
本研究の結果、今後はわが国でも、格付機関の民事責任規制に関して議論が進展することが予想されることから、EU法やドイツ法を基礎にした本研究は、少なくともその議論に際して検討材料を提供できたように思われる。とりわけ格付機関の民事責任に関して、その主観的要件である有責性の問題や損害賠償を主張する原告の証明責任の問題等について一定の基準を示せたことに学術的意義が見出される。