日本にとって、ビルマ(ミャンマー)は、歴史的に深いつながりがあり、かつ経済的にも地政学的にも重要な国である。しかし、戦後日本とビルマの関係に関する歴史学的実証研究は、ほとんど進んでいない。 本研究は、ベトナム戦争期における日本とビルマの関係を、アメリカの動向を視野に入れつつ、明らかにするものである。とくに佐藤栄作政権が、対東南アジア外交政策をいかに構想し、対ビルマ外交をいかに展開したのかを解明した。 本研究によって、戦後日本の対東南アジア外交および対ビルマ外交の成果と限界について検討したことは、今日の日本と東南アジアおよびミャンマーの関係を理解するうえで、重要な作業だといえるであろう。
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