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2016 年度 実施状況報告書

モデル不確実性回避度の計測と異質性の国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 15K03391
研究機関筑波大学

研究代表者

大久保 正勝  筑波大学, システム情報系, 准教授 (30334600)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード経済統計学 / 計量経済学 / モデル不確実性
研究実績の概要

今年度は、昨年度に引き続き、モデル不確実性回避度を計測するために先行研究において提案された発見誤差確率(detection error probability)に注目し、その計算方法の簡素化と拡張を行った。特に、今年度は、消費過程に長期リスクを組み込んだ場合の発見誤差確率の計算方法を検討した。既存研究において長期リスクを組み込んだ消費過程はいくつか提案されているが、そのうちHansen (2007)等が用いた消費過程については、発見誤差確率をシミュレーションに頼らず解析的に計算可能であることを確認した。また、この確認のプロセスで、Ellison and Sargent (2015)が景気循環の厚生費用を計算する際に用いた集計リスクと固有リスクを持つ消費過程についても、発見誤差確率をシミュレーションに頼らず解析的に計算可能であることが分かった。昨年度までの研究結果と合わせると、消費過程のランダムウォークモデル、トレンド定常モデル、長期リスクを持つモデル、および集計リスクと固有リスクを持つモデルに対して、本研究が提案するシミュレーションに頼らない計算方法が適用可能であることが分かった。一方、モデル不確実性回避度が国ごとに違う場合に、それを厚生費用で評価することで、どの程度の違いになるかを24カ国の年次データを用いて検証した。その結果、モデル不確実性を認めない従来の厚生費用に比べて、多くの国が高い厚生費用を持つことが分かった。モデル不確実性回避度やその厚生費用の計測は、これまで米国のデータのみを用いて研究が進められてきた。本研究の結果は、国際比較を可能とするという点で有益であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存研究の分析手法の精緻化と簡素化は、研究計画において予定していた分をおおむね完了した。また、昨年度の報告書に記載したモデル不確実性の厚生費用の国際比較を予定通り行うことができた。以上より、全体として当初の予定通り、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

研究計画に従い、本研究において提案した手法がどの程度まで実証分析に応用可能かを検討する予定である。今後も引き続き、分析手法と実証結果の精査を行い、他の研究者からのアドバイスなどを取り入れながら、研究を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初、研究補助として雇用を予定していたが、研究がおおむね順調に進展したため、その必要が無くなった。以上より、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度使用額は、主に人件費と学会や研究セミナーへ参加するための出張旅費に充てる予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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