本研究は日本の不動産投資信託(REIT : Real Estate Investment Trust)市場を対象にしている。株価の上昇はREIT市場に正の影響を与え、金利の上昇は負の影響を与えた。金利の負の影響はアベノミクス導入後により顕著であった。日銀は前場の市場でREIT価格の下落を確認して、その日の後場にREITの買入れを実行していた。日銀がREITの買入れを実行した結果、短期的には効果があったと言える。量的・質的緩和政策とマイナス金利政策の時代には、3つの用途別REIT市場(オフィス、住宅、商業・物流)は連動して推移し、用途別REIT間でのトランスミッション効果が大きかった。
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