研究課題/領域番号 |
15K03684
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
中内 基博 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (20339732)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | イノベーション / 知識移転 / トップ・マネジメント / 技術者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、企業内でのイノベーションの発生プロセスに焦点を当て、個人レベルにおける効率的な知識移転ネットワークの構造を探るとともに、イノベーションの方向性に対してトップ・マネジメントがどのように関与し、現場の研究開発活動にいかなる影響を与えるのか、検証することにある。本研究の特色は、イノベーション活動をミクロ(個人レベル)とマクロ(組織レベル)の2つレベルに区分し、それぞれがイノベーションの生成過程にいかなる影響を与え、また相互にどのように影響し合うのかについて検証する点にある。マクロレベルでの技術蓄積の方向性に関する意思決定と、ミクロレベルでの知識移転の効率性との適切な関係性を見出すことにより、広範なイノベーション・プロセスを把握できる点において独創的な研究アプローチと言える。 本年度は、マクロレベルの研究としては、研究開発費を含めたリソースの配分にトップ・マネジメントがどのように関与するのかについて、実証研究を行った。分析の結果は、翌年度に内外の学会にて報告が予定されている。他方、ミクロレベルの研究としては、最近の先行研究を調べあげ、情報提供者から見た知識移転ネットワークに関する分析モデルの構築に努めた。特に技術者間の知識移転ネットワークと集合知の関係について考察した。また質問票調査の実施に向けた準備を行い、企業側との調整を行った。質問票配布の準備のために、インタビュー調査を行い、同社の事業内容や技術者同士のコミュニケーション、成功・失敗したプロジェクトの要因などを探った。これらの知見をもとに、質問票を設計する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、アメリカの学会に出席し、研究者との打ち合わせを行う予定であったが、海外研究者との調整がつかず、出張ができなかった。したがって、当初予定していた、海外研究者とのミーティングを行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
マクロレベルの研究として、内外の学会報告を予定しているが、それをもとに論文として仕上げ、ジャーナルへの投稿を考えたい。また、トップ・マネジメントと研究開発動向についての先行研究を調べ、分析モデルの構築を行いたい。 他方、ミクロレベルの研究としては、インタビュー調査を継続し、質問票を作成したい。また、それをもって企業側に配布の了承を得たい。なお、特許マップ作成のためのデータベースの構築に着手することを考えている。 また、研究の効率性を高めるため、海外の学会へ出席し、最新の研究動向に関する情報を収集し、本研究に関する海外研究者の意見を伺う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していた海外出張が、急遽取りやめになったため。海外研究者との調整がつかず、ミーティングを行うことができなかった。したがって、旅費の予定が消化できずに、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度以降に、海外出張を行う際に利用する予定である。
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