• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

日本におけるフードバンクの実態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K03912
研究機関静岡大学

研究代表者

日詰 一幸  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30241152)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードフードバンク / 生活困窮者支援 / パントリー / 行政との連携
研究実績の概要

今年度は次のような調査・分析を実施した。第一は、日本におけるフードバンクの設立にあたり社会状況との対応性について検討した。その結果、日本のフードバンクは2011年と2015年に設立数が増加するという特徴を見出した。これは東日本大震災や生活困窮者自立支援法施行等をきっかけに設立数が増加したということであり、その点が日本のフードバンクの特性の一側面であると認識することができた。
第二に、日本のフードバンクにおける行政との関係性を考察した。その際、新たに群馬県前橋市の取り組みに注目し、新聞報道等を中心に資料を収集し、地方自治体とフードバンクの関係性について考察をおこなった。
第三は、海外におけるフードバンクの実態調査を行った。その際、フードバンク活動の盛んなアメリカ・シカゴ市におけるパントリーの実態調査を行った。シカゴ市内だけで300近いパントリーが存在し、近隣住区において生活困窮者への支援活動が展開されていることを把握し、そのようなフードバンクの取材を行った。さらに、アジアにおけるフードバンクの代表例として台湾・台中市におけるフードバンクと行政の関係性についてヒアリング調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2017年4月より学部長に就任したことから、出席を求められる会議が増えるとともに、学部の諸問題への対応に割かなければならない時間が増大したため、これまでのエフォートに大きな変更が生じた。それにより、研究に割ける時間が想定したよりも少なくなってしまい、当初予定していたように、これまで実施してきた調査を整理し総括したうえで、研究全体の考察をとりまとめ、さらには研究報告を作成するという作業に費やす時間を十分取ることができなくなってしまった。

今後の研究の推進方策

本研究が当初の計画より遅れているため、「科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長承認申請」を行い、その承認を受けた。そのため、研究期間が1年延長されたことにより、これまでの研究の補足調査を行うとともに、研究時間が少なくなったことにより実施できなかった研究全体の取りまとめを2018年度に実施することにしている。その際、これまで3年間実施してきた、研究から得られた知見を整理するとともに、持続可能なフードバンクの運営に不可欠な諸要因を取りまとめ、加えて生活困窮者への持続的な支援の可能性に焦点を当てた報告を取りまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

本研究に対する補助期間は平成27年度~平成29年度であったが、平成29年4月より学部長に就任し、学部長職に伴う公務に割かなければならない時間が増え、自身の研究時間が十分に割けない状況が発生した。そのため、研究期間延長承認申請を行い承認された。そのことにより、平成30年度も研究を継続することが可能となり、「次年度使用額」を用いて最終年度の研究を継続する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 労働者福祉運動と社会的課題への対応(三・完)2018

    • 著者名/発表者名
      日詰一幸
    • 雑誌名

      静岡大学法政研究

      巻: 第22巻2号 ページ: 17-41

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] フードバンク活動の現状と今後の可能性2017

    • 著者名/発表者名
      日詰一幸
    • 雑誌名

      月刊福祉

      巻: 第100巻 ページ: 32-37

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi