熟慮的・分析的思考に関わる思考スタイルである認知的内省性,主として西洋と東洋の間に見られる認知スタイルの差としての包括-分析的認知,および視覚的注意が場全体か特定の対象に向いているかどうかに関する大局-局所処理の相互関係について検討した。その結果,先行研究と同様,内省的思考は全体として実証的根拠を欠く非合理的な信念を抑制する働きがあるものの,認知スタイルが包括的であり,因果関係を複合的に理解しようとする傾向がある場合は超常現象や疑似科学を信奉しやすいこと,また内省的思考の効果が文化によって異なるが,思考スタイルに比べると,知覚的スタイルについては文化の影響は弱いことが明らかになった。
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