研究課題/領域番号 |
15K04060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
渡部 雅之 滋賀大学, 教育学部, 教授 (40201230)
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研究協力者 |
高松 みどり 京都市・学校カウンセラー
石川 王泰 片木脳神経外科, 理学療法士
川村 渉 片木脳神経外科, 作業療法士
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 空間認知 / 生涯発達 / 視点取得 / 平衡性 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、他者が見る風景の推測を意味する空間的視点取得における身体性の発達過程を解明し、高齢者の福祉・医療へ提言を行うことであった。空間的視点取得検査と開眼片脚立位時の重心動揺検査を、幼児から高齢者まで139名に実施して比較した。その結果、高齢者の開眼片脚立位に身体表象の変形操作が関与すること、また彼らの平衡性機能は幼児期の水準に戻るのではなく、若年期から続く基本的な特徴を維持しつつも、筋肉や関節の衰えに影響されて低下することが示された。これらを踏まえて、運動機能と認知機能の両面から、高齢者の平衡性機能の維持を考えていく必要があると結論した。
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自由記述の分野 |
教育心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身体発達が認知能力の生涯発達とどのように関係するのかについて、幼児から高齢者までを対象にデータを収集した。この観点における幅広い年齢層の実証データは希有であり、貴重である。分析の結果、高齢者が転倒しやすくなる主な要因の1つが、身体表象の変形機能の低下にあり、片脚立位検査はこの機能を敏感に捉えることに特徴があることを明らかにした。これは、転倒予防のために平衡性機能を測定する簡易な立位検査の開発に繋がる価値ある成果である。さらに、この知見は、「心と身体の相伴った成長」について人々の理解を深め、教育・福祉・ 医療の質を向上させることにも役立つであろう。
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