本研究は,仕事社会に参入する前段階にある若者層のキャリアデザインについて検討し,教育・支援に活用するためのツールを開発した。主たる成果は以下の点にまとめることが出来る。まず,ジェンダーによる意識的,無意識的な影響過程とくに職業イメージによる作用を確認した。これを踏まえるならば,「同性が少ないので自分には難しいのではないか」といった意識は,職業情報の発信や解釈の過程に介入することによって変わり得るといえる。さらに,ワーク・シートを開発・試行するなかで,個人が情報源に気付いたり解釈の仕方を転換させたり,あるいは認知の歪みを捉え直すことで,キャリア自己効力の見積もりが変容するとの結果を得た。
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