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2017 年度 実績報告書

ホリスティックな視点に立つ道徳教育の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K04516
研究機関東洋大学

研究代表者

下田 好行  東洋大学, 文学部, 教授 (70196559)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード道徳教育 / ホリスティック / リチャード・ローティー / 進歩の物語 / 民主主義 / 自己の象徴を重ねる / 自己の内側にある善さ / 象徴と概念の一体化
研究実績の概要

学習指導要領の徳目を知識と受け入れ、知識によって人間を律するのではなく、自己の内面にある善さや「こうありたい」とする意志に自ら気づくことが「道徳」であると考える。こうした見方を行うためには、人間を見る見方を変えなければならない。分析的に部分的に人間を見るのではなく、全体的包括的に人間を見るのである。こうした「ホリスティック」な立場に立ち、学校の道徳教育の方法を見直すことをこの研究の目的とした。 アメリカのプラグマティズムの哲学者であるリチャード・ローティー(Richard Rorty)は、「進歩の物語」という道徳教育の方法を提唱している。アメリカの民主主義を創りあげた人物の物語を教材として使う方法である。例えば、奴隷解放のリンカーン、婦人参政権運動のアンソニー、労働運動のデブス、市民権運動のキング等の物語である。子どもはこの物語から民主主義を学んでいくのである。偉人の生きた軌跡を追うことを通して、偉人の感情と自己の内面の象徴を重ね合わせることができる。偉人の物語のどこに響いたのか。この問いを行うことによって、子どもの内面にある象徴を自分で自覚できるようになるのである。こうした自己の象徴を直観する教育方法は、人間の倫理観を形成していくことができるのと考える。
自己の内面にある倫理観は外から与えられ植え付けられるものか。それとも自己の内面にあるものが意識化され顕在化されていくことなのだろうか。この問いが道徳を考える上で重要な問いになる。シュタイナー、垣内松三、青木照明の理論と教育実践は、後者の立場に立つものであると言える。人間を根底から動かすものは、自己の内面にある意志である。この意志は人間の内側にある象徴である。この象徴と概念は一体化している。そうした意味でこの方法はホリスティックであると言える。人間を根底から動かすのは、自己の内側にある意志(象徴)である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] よりよき社会を創造する道徳教育のあり方ー「考え議論する道徳」の向こう側にあるものー」2018

    • 著者名/発表者名
      下田好行
    • 雑誌名

      研究紀要

      巻: 47 ページ: 89-98

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 特別活動と教育課程ー「社会参画」「合意形成」「自己実現」の資質・能力の育成ー2018

    • 著者名/発表者名
      下田好行
    • 雑誌名

      やさしく学ぶ特別活動

      巻: ミネルヴァ書房 ページ: 66-79

  • [雑誌論文] 「個別化していく教育」におけるICTの役割ーブレンディッド・ラーニングの導入の可能性に焦点をあててー2018

    • 著者名/発表者名
      下田好行
    • 雑誌名

      東洋大学文学部紀要71集

      巻: 教育学科編XLⅡ ページ: 33-41

  • [学会発表] 主体的・対話的で深い学びの深さをどう創るか2017

    • 著者名/発表者名
      下田好行
    • 学会等名
      日本教材学会

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公開日: 2018-12-17  

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