表面粘弾性計測の重要性は認識されてはいたが、分子単層膜の持つ粘弾性の寄与は非常に小さく、基板であるバルクの水の力学物性に埋もれてしまうことが測定を困難にしていた。本手法では遠隔でプローブにトルクを印加して実現される回転速度を計測するため、プローブの小型化が原理的に可能となり困難を克服した。今回の成果は、従来からの2 次元物質の物性物理を研究する上での重要な情報を提供するのみならず、近年特に産業応用上の大きな発展が見込まれるインクジェットやマイクロ流路などのミクロな液体デバイスの設計・製作においてもきわめて有意義な知識を提供することとなった。
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