研究実績の概要 |
PLANAR d-WEB の曲率の計算方法を開発できた。平面 d-WEB とは d 個の平面曲線が層状に重なり合ってできる葉層の重ね合わせの構造である。それぞれの葉層を1変数一階常微分方程式 p_i = dy/dx=f_i(x,y), i=1,2, ... ,d の解の族として表すことができるので、それらの p_i を解とするような、 x,y の関数を係数とする p の d 次多項式 W(x,y,p)=0 で定義することができる。この定義関数 W からそれの与える WEB の曲率形式を数学的に有意義な形で求めることが本研究の目的であった。xy 平面の3-WEB の曲率形式に関しては、計算機による計算出力としての大きな公式はすでに20年ほど前から、MIgnard により知られているが、以後、それに準ずる計算以外知られていなかった。この古典的計算を3次対称群の部分群に関する不変式の計算を元に再構成することにより、d-WEB への一般化に成功した。3-WEB に関しては、WEB 方程式の p に関する判別式の定める xy 平面曲線が曲率形式で重要な意味を持っていたが、一般の d-WEB に関してはそのような兆候は現在のところ見受けらない。しかしながら、曲率形式は一般に有理形となり、その分母に判別式が現れる点においては同様であることが判った。よって、曲率2-形式は判別式に沿って曲を持つが、その判別式曲線に定めるRESIDUE 1-形式は 0 であることを示すことができた。
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