研究課題
平面3-webの曲率形式は、Henaut によるweb 平面を底空間とするAbel関係式の考察から得られるバンドルの平坦性の障害としての特徴付けや、本研究課題代表者によるweb の定義1―形式のBlaschke normalization を用いた計算結果がすでに知られており、それらは多くの後続の研究へと発展した。後者の計算方法は初等的でありながらも大掛かりな計算であり、代表者の計算方法は非公開であることもあり、追随する各研究者それぞれの秘伝のようなものでる。この研究課題では第一にこの計算法を対称式の微分公式を応用することで簡略化した。その手法により特異性のある一般のd-web の曲率形式の見通しのよい表現を与えた。この結果は、適切な形での公表の準備中である。第2の結果は、webの位相剛性である。平面だけに限らず任意の次元の空間の3-web の位相同型はwebと同等の微分可能性を持つことがDufourの1980年頃の一連の結果以来、知られている。Webの微分幾何学的構造の様々な位相的性質は、20世紀初等よりThomsen、Blaschke等により意識され、とくに Topologia Differenziale という造語が初めて使われた1935年以来、所謂、微分トポロジー(Differential Topology)の研究がMilnor等により始められるまでの間、Blaschke-Bompiani schoolにより集中的に研究されたことであった。本研究では、3次元空間の様々な web 構造の位相剛性を示すことができた。以上の結果は、部分的には日本数学会でアナウンスされているが、 Henaut 氏により2018年3月16日のボルドー大学数学研究所(IMB)の幾何学セミナーに招待された折に詳細が発表され、以来、同氏との間で議論が続いている。現在、適切な形での発表を準備である。
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Natural Science Report, Ochanomizu University
巻: 68 ページ: 1~5