研究成果の概要 |
位相有限(g,n)型タイヒミュラー空間の大域的座標系の研究を行った。タイヒミュラー空間を曲面上の双曲計量の変形空間とみるとき,タイヒミュラー空間のパラメータを(g,n)型(3g-3+n>0)の曲面上のd=6g-5+2n個の単純閉測地線の長さで与えることができる。この事実についてはすでに多くの研究があるが,我々は単純閉測地線をうまく選ぶと,それらの長さに依存する量(トレース関数)を用いた写像類群のタイヒミュラー空間上への作用が有理変換群になることを証明した。すでに種数2の閉曲面のタイヒミュラー空間について示されていたこの結果を今回,任意の位相有限型タイヒミュラー空間に拡張することができた。
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