ポテンシャル論の立場から見ると放物型作用素と楕円型作用素は深く関連するが,今回の研究を通して改めてその事実を再認識した.楕円型方程式のグリーン関数は放物型方程式の基本解を時間に沿って積分して得られる.この事実をうまく用いて,楕円型方程式のマルチン境界の記述に成功した.また,α-放物型作用素から定まるベルグマン空間はα=1のときは熱方程式の解,α=1/2のときは調和関数となり,熱方程式とラプラス方程式を統一して解析する.また,エルデス型の重みについての多項式近似では基本となる評価式に重みから定まる関数のべきが必要であることがわかり,べきの最良性など新たな課題が見つかった.
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