量子論における同時操作不可能性について主に構造論的側面に焦点をあて研究を行った。その結果、物理量空間と量子チャネル空間に自然な順序構造が導入され、物理量と量子チャネルの同時操作不可能性がそれにより極めて簡単な形で表現されることがわかった。この議論は量子チャネルどうしの同時操作不可能性にも拡張された。また、部分集合どうしの対応を考えることにより、自然にガロア接続の概念が導入された。他に、同時操作可能な操作の組が凸集合をなしているという点からウィットネスという同時操作不可能性の判定法が存在することを示した。また同時操作不可能性の応用として量子参照系の議論も行った。
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