本研究は、ニュートリノ振動の精密実験結果に基づきフレーバー対称性の証拠を現象論的に明らかにするとともに、LHC実験とBell-Ⅱ実験に基づくB中間子のCP対称性の破れ等の研究を通して、クォークとレプトンのフレーバー構造を統一的に解明することである。とりわけ、フレーバーの新しい可能性である超ひも理論起源のmodular対称性を用いて画期的な成果が得られたことで、超ひも理論と低エネルギーの現象を結び付ける道筋が見えてきた。今後、素粒子実験の計画と超ひも理論に与える影響は大きいと思われる。また宇宙の物質生成の起源の研究にも影響をあたえるので、宇宙の理解が進むという点で,その社会的意義は大きい。
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