重い電子系YbRh2Si2のスピンエコー減衰の磁場・温度依存を、29Si 同位体を52%濃縮した高品質の単結晶試料を用いて測定した。この単結晶試料を用いて、NMRスピンエコー減衰の測定を行った。減衰曲線には、通常のGauss型、Lorentz型の減衰に加えて、明確な振動項が現れた。これはRK相互作用と擬双極子相互作用によるものと考えられる。この振動数には低温20K以下で大きな温度変化が見られた。これは、20K以下でフェルミ面の大きな変化あることを示している。YbRh2Si2では、70mKまで大きなフェルミ面の変化はないと考えられてきたが、本研究により、高温から変化があることを明らかにした。
|