研究課題
基盤研究(C)
東南極のセール・ロンダーネ山地には高いK量が特徴のアダカイト質深成岩が産し,同時に活動した閃長岩と複合岩体を成す.本来のアダカイトは沈み込み帯で潜り込んだ海洋地殻が溶けた物質でKに乏しいが,本地域の高Kアダカイトは大陸内に閉じ込められた古い火山弧が約2.0GPa以上の高圧下で溶けたもので特殊な化学組成に至った.一方,閃長岩はマントル起源であった.また両者の活動時期は約5億5千万年前と判明した.したがって,この複合岩体は,ゴンドワナ超大陸の形成時に大陸内へ閉じ込められた火山弧の衝突部分が後のマントル物質の上昇を伴いながら再分裂し始めたことを意味する重要な存在であった.
地球惑星科学・地質学