貝殻の強靱な積層体構造から着想を得て、グラフェン塊などのナノサイズカーボンをフィラーとする樹脂基複合材料を作製し、単体および薄膜積層体での機械的特性を中心に評価を行った。溶融混錬方法により作成した複合材料で、ナノカーボンの混合率がわずか3wt%の場合に、樹脂単体に比べて約20%の引張強度の向上が得られ、薄膜積層構造においては最大で40%近く向上するという結果が得られた。 ナノカーボン材を、より安価で効率的に生産する方法については、木質ペレットやプラスチックを原料として、熱分解ガス化プロセスと組み合わせた化学気相成長(CVD)法によるナノカーボン生成が技術的に可能であることが実験的に確かめられた。
|