固気液3相の接触線が固体壁面上を有限速度で移動する際,接触角が速度に依存する動的ぬれの現象が観察される.あらさや汚れ等の欠陥を通過する接触線のぬれ挙動について,実験ならびに数値シミュレーションによる検討を行った.周囲よりぬれやすい直径300μmの円形欠陥を人工的に作成し,欠陥上での接触線のスティックスリップ的な挙動ならびにその間の接触角の変化を測定した.また,欠陥を通過する接触線の挙動について数値シミュレーションを行い,複数の欠陥が上に凸の楕円状に分布するとき,接触線の大変形が生じること,ならびに欠陥の面積占有率が数%であっても,動的接触角に有為な変化を与えることを示した.
|