シンバルは薄板円板状の打楽器で,ブロンズの薄板円板をシンバル形状に成形する成形工程と音質を調整する音質調整工程(ハンマリング加工,音溝加工)を経て製品となる.本研究では,シンバルの音質に大きな影響を及ぼす成形加工後のベル(シンバル中央の膨らんだ部分)の形状とハンマリング加工に注目し,それらがシンバル音に及ぼす影響を明らかにする.最初に,音響放射効率を用いてシンバルの振動と放射音の関係を調べ,ベルサイズにより放射音特性が異なる理由を検討する.次に,ハンマリング加工後のシンバルの振動・放射音の変化予測法を提案し,それを用いてハンマリング加工によりシンバルの振動・放射音特性が変化する理由を検討する.
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