研究実績の概要 |
むだ時間系のモデル表現と偏微分方程式系への拡張に関して,状態予測制御系の有限極配置の拡張とロバスト性向上についての投稿論文が国際会議IEEE ICIT2017に採択され, 発表をおこなった.また同手法を空圧シリンダの応答遅れに適用した事例に関して, 国内学会(SICE制御部門マルチシンポジウム, MSCS2017)にて発表をおこなった. 多分解能モデル表現に関連して, 周波数成分の分離に基づくアシスト制御に関する結果を論文にまとめ, 英語論文誌に投稿中である. また, 可変分解能モデルと階層型制御方策によるモデル予測制御に関して, 国際会議IEEE IECON2016で発表をおこなった. また, ハミング距離を用いた局所探索により分割アルゴリズムを高速化する方法について検討し, これについても国内学会(MSCS2017)にて発表をおこなった. 非線形モデル予測制御に基づく運動制御についても着手している(一部MSCS2017で発表). これに関しても, 計算量の削減のために可変分解能モデルが適用できないか, 今後検討する. 温度プロセスの制御については, プリンタ定着器のモデル化と切替オブザーバによる状態推定(むだ時間補償)に関する論文が国際誌International Journal of Simulation Systems, Science & Technology, IJSSSTに掲載された. ローラー表面の温度分布モデルを用いた局所加熱方式のエネルギー効率の検討をおこない, 国内学会(SICE中国支部学術講演会)で発表した. チューブポンプへの応用についてはFEM解析を援用したモデル化, ローターFF制御による圧力変動低減の実験検証を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は特に動的な分解能変更による計算コストも含めた包括的最適制御の実現を目指す. 具体的には複数台のコンピュータによって計算クラスタを構成し, 並列処理によって, 計算資源喉的配分をおこなう. その上で, 計算コストも含めた評価関数を設定することで, 動的な分解能変更によって包括的最適制御を検討する.
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