研究課題/領域番号 |
15K06254
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加知 範康 九州大学, 工学研究院, 助教 (30456701)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 生活環境質 / 生活の質 / QOL / Quality of Life / 都市構造 / GIS / インフラ管理 / 災害危険性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、居住者の生活環境質とインフラ投資効率を維持・向上するために必要となる「人口の集約化」と「インフラの更新・撤去」のタイミングを同時に決定する方法論を構築することである。 具体的には、宮崎県宮崎市を対象として、次のように研究を進める。①人口や各種インフラなどの大規模データとシミュレーション結果を効率的に管理し、地図による視覚化を可能とする都市構造データベースを、汎用的なGISデータベースソフトで構築する。②人口、インフラデータに基づき、生活環境質やインフラ整備状況を整理・分析し、地区診断カルテとしてまとめる。③居住者の生活環境質とインフラ投資効率を維持・向上するために必要となる「人口の集約化」と「インフラの更新・撤去」のタイミングを同時かつ多期間で決定する方法論を構築する。④構築した方法論を対象都市に適用し、人口集約とインフラ管理のロードマップを示す。 平成28年度は、次の2点に取り組んだ。 ①都市構造データベースの更新および情報追加:昨年度(平成27年度)構築した人口、生活・防災関連インフラ、災害危険性に関する情報から構成されるGISデータベースの情報を更新した。また、データベースの項目の一つである「生活環境に対する世帯・個人属性別の価値観」について、関連する先行研究の成果をレビューするとともに、本研究への利用可能性、本研究において追加すべき新たな視点等を再度検討した上で、「生活環境に対する世帯・個人属性別の価値観」に関するアンケート調査を実施し、データベースに追加した。 ③居住者の生活環境質とインフラ投資効率を維持・向上するために必要となる「人口の集約化」と「インフラの更新・撤去」のタイミングを同時かつ多期間で決定する方法論を構築に関連して、生活の質、環境負荷、災害復旧費およびインフラ維持費用の面から、早期の人口集約の効果を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
居住者の生活環境質とインフラ投資効率を維持・向上するために必要となる「人口の集約化」と「インフラの更新・撤去」のタイミングを同時かつ多期間で決定する方法論の構築に取り組んだが、同時かつ多期間決定する数理モデルを構築することが困難であったため、いくつかの条件を固定した上で、人口集約に対していくつかのシナリオを準備し、生活の質、環境負荷、災害復旧費およびインフラ維持費用の面から人口集約のタイミングによる効果(早期に人口集約することの効果)を分析した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度の分析結果を踏まえながら、特に、③居住者の生活環境質とインフラ投資効率を維持・向上するために必要となる「人口の集約化」と「インフラの更新・撤去」のタイミングを同時かつ多期間で決定する方法論の構築について、方法論の全体フレームを見直すとともに、実際の都市を対象としたケーススタディと並行して、方法論の構築を早期に実施する。
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