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2015 年度 実施状況報告書

原型炉プラズマの運転裕度の定量的評価と燃焼制御シナリオ概念の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K06660
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

坂本 宜照  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究主幹 (30354583)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード核融合原型炉 / 燃焼制御シナリオ
研究実績の概要

トカマク型定常原型炉で数百メガワットの正味電気出力を達成可能なプラズマ物理パラメータセット(閉じ込め性能、プラズマ密度、プラズマ温度、プラズマベータ値、自発電流割合、不純物密度、放射損失割合)を、炉工学パラメータと燃焼プラズマにおけるエネルギーバランスと電流バランスを満足する設計点について、炉設計システムコードを用いてデータベースを構築した。正味電気出力を正確に評価するために、発電に利用する冷却水系ポンプ動力等の省内循環電力を評価した。その結果、核融合出力1.5ギガワットの原型炉では90メガワット程度の冷却水系ポンプ動力が必要なことを明らかにした。加熱電流駆動装置に必要な電力等を踏まえると、数百メガワットの正味電気出力を達成するためには、核融合出力を2ギガワット程度まで増大させる必要がある。また、代表的な設計点を選択後、物理パラメータの半径方向分布を検討し、プラズマの圧力分布と電流分布の整合するトカマク平衡解析を実施した。炉設計システムコードによるゼロ次元データベースとプラズマ諸量の分布を考慮した解析結果ではプラズマ断面形状に違いが生じるため、プラズマ電流値や核融合出力への影響を整理した。さらに、トカマク平衡解析結果に基づいて、1.5次元非定常輸送解析コード(TOPICS)を用いた原型炉プラズマの基本運転シナリオの初期解析を実施した。高自律性燃焼プラズマ特性下では、所要のプラズマ性能に到達するためにはプラズマ初期状態からの履歴が最終燃焼状態に大きく影響するため、プラズマ密度の立ち上げ方や、外部加熱電流駆動の入射タイミング等の調整を実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.5次元非定常輸送解析コード(TOPICS)を用いた原型炉プラズマの基本運転シナリオの検討が初期解析の段階であるため、関係者の協力を得て、加速する予定である。その他に、研究の進捗は順調である。

今後の研究の推進方策

過渡応答特性に基づく運転裕度の定量的な評価:原型炉の燃焼制御では、所要の核融合出力を運転限界の範囲内で安定に維持する必要がある。そのためには適切な運転裕度を見込む必要があるが、これまで定量的な評価は行われていない。そこで、基本運転シナリオシミュレーションにおいて、意図的に外部制御異常やプラズマ内部擾乱の模擬を印加し、それらに対する高自律性燃焼プラズマの過渡応答特性(変化量、時定数)と制御応答特性(制御量、時定数)を解析し、運転限界に対する運転裕度の定量的な評価を行う。MHD運転限界についてはMARG2Dコードでの解析を行い、密度限界についてはグリンワルド密度を適用する。
運転裕度評価に基づく原型炉プラズマ物理設計パラメータの最適化:運転裕度の評価結果に基づき、原型炉物理設計パラメータの最適化を行う。
複合的な原型炉プラズマ燃焼制御シナリオの確立:上述の研究成果に基づいて、燃焼出力制御を含む複合的な燃焼プラズマ燃焼制御概念を構築するとともに、燃焼制御手法を検討し、燃焼制御に必要な計測装置やアクチュエータへの要求仕様を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

1.5次元非定常輸送解析コード(TOPICS)を用いた原型炉プラズマの基本運転シナリオの検討が初期解析に留まる見通しとなったため、データ解析及び数値シミュレーション用計算機、PC周辺機器の購入を次年度とした。

次年度使用額の使用計画

平成28年度に原型炉プラズマの基本運転シナリオの検討を本格的に実施する見通しが立ったため、データ解析及び数値シミュレーション用計算機、PC周辺機器を早期に購入する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 核融合原型炉における所内必要電力の評価2015

    • 著者名/発表者名
      坂本宜照、染谷洋二、宇藤裕康、中村誠、三善悠矢、青木晃、日渡良爾、飛田健次、原型炉設計合同特別チーム
    • 学会等名
      第32回 プラズマ・核融合学会 年会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-11-24 – 2015-11-27
  • [学会発表] Integrated design study for DEMO concept definition2015

    • 著者名/発表者名
      Y. Sakamoto, K. Tobita, H. Utoh, N. Asakura, Y. Someya, K. Hoshino, M. Nakamura, S. Tokunaga and the DEMO Design Team
    • 学会等名
      3rd IAEA DEMO Programme Workshop
    • 発表場所
      Hefei, China
    • 年月日
      2015-05-11 – 2015-05-15
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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