胚発生においては、特定の神経細胞が接線方向に移動して、層構造を形成する。我々は発生中のニワトリ視蓋の浅層での接線方向細胞移動の動きについて研究した。共焦点顕微鏡での動画観察により、活発な細胞移動が一週間に渡って持続し、水平に細長い表層の細胞が接線方向に広がることがわかった。動いている細胞は先導突起を分枝させ探索行動をとりながら進行方向を決めて進み、お互いに立体交差して広がっていった。移動細胞は最終的には視蓋浅層に一様に分布して、様々な形態をもつ神経細胞に分化した。これらの結果から、発生中の視蓋浅層において神経が広く分布するための細胞の動きが明らかとなった。
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