研究課題
基盤研究(C)
本研究から発達期の神経細胞において、Reelin刺激に応答してPKCが活性化され、GM130をリン酸化する事が明らかとなった。このリン酸化により、神経細胞のゴルジ体が伸長すると共に、神経細胞移動の停止および樹状突起の伸長が引き起こされる事も明らかになった。加えて、神経細胞が移動を開始する時点では、STK25の働きによりRho-GTPaseファミリーのRhoAの分解とRac1の活性化が同時に引き起こされる事から、両者のバランスが調節される事も必要である事が明らかとなった。
分子神経科学
本研究の成果は、大脳皮質の発達機構を根本から理解する上で非常に重要な知見をもたらしている。特に、組織形態的に問題がない知的障害を初めとする発達障害では、神経細胞の発達機構が発達過程、発達後の神経機能に大きな影響を与える事が多いため、今回の知見が関連疾患の理解にも繋がる事が期待される。