ミトコンドリアの翻訳系では,2つの翻訳停滞解消因子ICT1及びC12orf65蛋白質が必須であるが,役割分担は未知である。一方,ヒトではC12orf65遺伝子に変異が起こると,ミトコンドリア病を引き起こす。本研究では,CRISPR/Casゲノム編集法によりC12orf65の欠損マウスの作製を行った。その結果,ヘテロ型な欠損マウスを得ることはできたが,ホモ型の欠損マウスは現在まで得ることができなかった。これは,ヒトの場合と異なりホモ型のマウスは胎生致死であることが示唆された。また,ヒトとマウスにおいて,C12orf65の機能不全に対するICT1の補完能に差異がある可能性が示唆された。
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