アミロイド線維は数種の疾病に関わる不溶性の蛋白質凝集体である。線維形成中にオリゴマー中間体が現れる。これらの状態の熱力学的性質の知識は、線維形成反応の全容を理解するうえで重要である。我々は圧力と温度を調節することで、アミロイド線維や中間体の形成量を制御し、各種分光法にてその構造や熱力学的性質を同定できると考えた。しかし期間初期に、線維形成の可逆性が認められず熱力学的理論的解析が難しいと判断されたため、線維中間体の現れる条件の同定と、その中間体の構造情報の取得を目指した。具体的にはβ2m、αSyn、Aβの溶媒条件依存的な構造変化を調べ、アミロイド線維形成に対する各状態の寄与を考察した。
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