研究成果の概要 |
自家不和合性の栽培ギクはF2 世代以降の子孫を大量に残すことが困難で、自殖系統を利用した近代的な遺伝育種が非常に遅れてきた。この問題を解決するために、我々は二倍体キクタニギクの野生集団から発見された自家和合性を栽培ギクに導入し、自家和合性で多様な形質の新栽培ギク115ラインを分離した。交配親の長管さじ弁が候補形質として選ばれ、四倍体のF1,BC1F1,BC2F1~BC2F3子孫の遺伝的分離が調べられた。理論的に推定されたとおり、BC2F3世代で、自家和合性をもった種子で繁殖し、完全に管弁をもつ劣性ホモ系統が得られた。ここに自殖種子による遺伝学に基づいた遺伝形質の「デザイン」が可能になった。
|