味覚修飾活性をもつミラクリンの組換えタンパク質の大量生産は難しく、機能解析が進んでいない。本研究では、ミラクリンと60%近い配列が一致するブドウ由来ミラクリン類似タンパク質vvMLPの立体構造を明らかにした。単量体として存在するvvMLPにミラクリン型アミノ酸残基を挿入し二量体化に成功したが、この変異体は味覚修飾活性を有さなかった。大腸菌での可溶性ミラクリン生産にも成功したが、味覚修飾活性は確認されなかった。これらの結果はこれまでの味覚修飾タンパク質の研究結果と異なっており、ミラクリンの味覚修飾活性に糖鎖が重要な役割を果たす可能性を示唆し、今後の研究に一石を投じるものである。
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