奄美群島を中心に漁業経営への政策的支援の効果と課題について、市場適応に焦点を絞り分析した。島嶼域では各種補助金を活用した漁業経営改善の取り組みが展開しており、出荷経費の補助により水産物の島外出荷が促進され、経営振興に結びついていることを明らかにした。一方で、島外出荷は補助金に全面依存しており、それなしに事業は成り立たない状況に陥っていることを指摘した。また、高付加価値生産を目指した加工品の開発がすすむ一方で、販売役である漁協に十分なマーケティング能力がなく、製品開発が経営改善に直結していないことも判明した。補助金への依存と、製品販売力の欠如が、離島漁業経営の向上を妨げていることを明らかにした。
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