ビール酵母の測定に適した検出波長と励起波長を選定し、ビール酵母の生細胞やATPとの関係を検討した。その結果、ビール酵母の測定には励起波長425 nm、検出波長635 nmが最適と判断された。検出波長635 nmのピークは、糖度、アルコール、酵母の種類の違いに影響を受けないため、適用範囲の広い指標であることが判明した。醪の検出波長635 nmの蛍光スペクトルの屈曲度は、生細胞数との間に正の相関が認められた。また、生細胞数はATPとの間に正の相関が認められたことから、蛍光分光法によって得られる屈曲度はビール酵母のATPを評価する指標になり、活性状態の評価に結びつくことが認められた。
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