牛受精卵由来栄養膜細胞を用いて、有望な胎盤剥離誘導シグナル候補であるオキソアラキドン酸(KETE)の反応を調べた。栄養膜細胞コロニーにKETE(40μM)を添加すると細胞のシート状剥離が誘導され、その際MMP活性化とアポトーシス誘導が観察された。ビボの胎盤剥離においても同様の現象が見られており、KETEが胎盤剥離誘導シグナルとして働くことが強く支持された。一方、低濃度(5-10μM)のKETE添加では粒状変形と剥離浮遊が起き、この反応はプロテアーゼ阻害剤で抑制された。このことは低濃度のKETEが栄養膜細胞のプロテアーゼを活性化する事を示しており、分娩時の胎盤剥離において新しい機構を提供する。
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