近年、セレニウムを含有する化合物の薬理活性が注目されてきている。我々はまずトリメチルシリルエチル(TSE)セレニル基を用いた直接的な官能基導入法による各種5’位セレン修飾核酸の有用な合成法開発に取り組んだ。この方法を応用し、Se-アデノシル-L-セレノメチオニン(SeAM)の合成に成功した。加えて、我々はこの方法を用いて2’位セレン修飾ウリジン誘導体の合成ルートも確立した。さらにTSEセレニル基をアミノ酸誘導体合成に応用し、セレノシステインやセレノグルタチオン誘導体の合成に成功した。我々はTSEセレニル基が生体物質へのセレン導入試薬として非常に有用で汎用性が高いことを確認した。
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