p21rasファルネシルトランスフェラーゼ(FTase)阻害活性を有するTAN-1813の全合成研究においては、本天然物のすべての炭素骨格、不斉炭素および官能基を有する化合物(標的化合物前駆体)の合成を達成した。しかしながら、マレイミド窒素の保護基の除去には多くの困難を伴い、全合成完成には至っておらず、現在、研究は中断となっている。
脳腫瘍治療薬としての用途が期待されている海洋天然物ナキジノール類の構造活性相関研究に関しては、独自に開発した合成方法論を適用して新規類縁化合物10種類を合成した。
副次的な成果として、サルビアミン類の全合成、タイランデプシン類の全合成および大環状デプシペプチド類中間体の合成に関する論文発表を行った。
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