本課題は,肥満の形成過程などにおいて観察される高インスリン血症を改善することで過度の肥満,種々生活習慣病の発症を抑制する物質を探索することを目的とする. 本研究の成果は,生薬コウズクより得たフェニルプロパノイド成分,生薬センキュウより得たフタリド成分,およびブラジル生薬である Carapa guianensis より得たリモノイド成分の一部が肝細胞中の中性脂肪含量を有意に低下させることを見いだした.さらにマウスを用いた in vivo での評価では,コウズクから得たフェニルプロパノイドの3日間の投与により,糖負荷時の耐糖能の改善,肝臓中中性脂肪含量の有意な低下が観察されることを明らかにした.
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