自閉症は、対人関係の障害・コミュニケーションの障害・こだわりなどを特徴とする先天的な脳発達障害である。原因は不明であり、解剖学的な異常、即ち脳の形態の異常は見出されていない。一方、神経生物学的には、こだわり、対人関係の障害、同一性の保持などの行動上の特徴から、脳内の神経伝達物質セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの異常が指摘されてきた。これまでの研究で研究代表者らは、自閉症モデルラット脳でのセロトニン神経系の異常について報告してきた。今回の研究ではドーパミン、ノルアドレナリン解析を試みた。自閉症モデル動物では広く神経伝達物質の異常が存在する可能性がある。
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