卵巣明細胞において、低酸素誘導因子HIF-1αの遺伝子多型(C1772T)は、健常群や他癌腫よりも頻度が高いが、患者予後やその蛋白発現には影響しない。またHIF-1αやその制御因子であるヒストン脱アセチル化酵素HDAC6の免疫組織化学的発現は、ARID1A変異を持たない卵巣明細胞癌患者では予後と相関しないが、ARID1A変異を伴う卵巣明細胞癌患者においては生存期間を有意に短縮した。卵巣明細胞癌において、HIF-1αやHDAC6が予後予測因子や治療標的となりえること、またARID1Aがそのバイオマーカーとなる可能性を見出した。
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