腫瘍特異的融合遺伝子を有する骨軟部腫瘍のホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織から抽出したRNAを用いて次世代シークエンス(NGS)解析を行ったが、当該融合遺伝子をうまく検出できなかった。通常のホルマリン固定された腫瘍組織はNGS解析には不適であり、固定に緩衝ホルマリンを用いるなどの工夫が必要と考えられた。一方、凍結新鮮腫瘍組織を用いた解析では当初想定しなかった融合遺伝子(PAX3-MAMAL3等)が検出され、類似した特徴を示す腫瘍の症例を収集して検討することにより、それらの腫瘍における臨床病理学的な多様性を見出すことができ、同解析は骨軟部腫瘍における有用な補助的診断法と考えられた。
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