研究の過程にて、SEMA4DとANCA関連血管炎(AAV)の間に興味深い相関が見つけられたため、これに着目した。AAV患者血清においてSEMA4D濃度の上昇が見られ、この値は病勢スコアと相関した。AAV患者の好中球において、膜型SEMA4Dが減少し、遊離型SEMA4Dが上昇していることが分かった。好中球の膜型SEMA4Dに血管内皮細胞のPlexin B2が結合することで、好中球の好中球細胞外トラップ(NET)の形成が抑制されることが見出された。Plexin B2タンパク質をANCAや病原体による刺激で活性化させた好中球に作用させてやることにより、活性酸素の放出やNET形成を有意に抑制できた。
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