日本住血吸虫、メコン住血吸虫、マンソン住血吸虫はヒトの門脈、腸間膜静脈系寄生性の住血吸虫である。3種類の住血吸虫感染による肝線維化の病態には、大きな違いが認められるがその本態は明らかとなっていない。現況では感染を防御する以外の肝線維化症に対する有効な治療法はない。肝線維化症を早期に診断し、プラジカンテル処方を行うなどの対策が必要と考えられるが、診断法は未だ確立されていない。そこで、マウスモデルによる3種類の住血吸虫の感染時に起こる病態解析を、血清中の小胞体のmiRNAの発現動態に着目して比較解析を行い、異なる病態の解明を試みると共に、病態変化を検出するバイオマーカーとしての可能性を検討した。
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