感染症治療における薬物-病原体-宿主免疫の3者が,相互に関連し合う関係性を解明し,薬物治療法を最適化することを目的とした。その結果,β-ラクタム系薬,キノロン系薬,アミノグリコシド系薬,抗耐性菌薬,抗真菌薬の血漿中および組織体液(腹水・腹膜・前立腺・精巣上体)中の薬物濃度を測定した。各種のMIC,time-killingおよび臨床のデータを加え,薬剤耐性機序に基づく母集団モデリングとシミュレーションにより,様々な関連性を説明し表現する関係式を構築できた。薬物,病原体,宿主の特性因子などから,個別最適療法を設計するツールを開発し,患者への臨床適用結果からフィードバックを得ることができた。
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