肺内の食塊に対する異物反応は、嚥下性肺炎の病理学的診断の根拠であるが、病態生理上の意義は明らかでない。我々は、0.1mg/g BWあるいは0.01mg/gBWのセルロースを経気管的にマウス肺内に投与することで新しい誤嚥マウスモデルを作製した。気管支肺胞洗浄液では24時間後に顆粒球の上昇がみられ、7日後には消退した。組織学的にも、7日後には浸潤細胞はマクロファージが中心となっていた。サイトカイン動態を検討したところ、特にMIP1alphaや IL-6の発現が急性期に顕著に上昇していた。本モデルに黄色ブドウ球菌性肺炎を惹起させたところ、高濃度のセルロース投与群では細菌感染の有意な増悪がみられた。
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