今後の研究の推進方策 |
精子形成に関連する精巣間質のライディッヒ細胞と精細管内のセルトリ細胞に対する抗癌治療の影響についてまだ報告が少ない。そこで、4週齡C57BL/6j雄マウスにブスルファン(40 mg/kg)を腹腔注射あるいは放射線6 Gy照射後、120日まで経時的に精巣からRNAを抽出し、生殖細胞やセルトリ細胞、ライディッヒ細胞の関連遺伝子(Germ cell: Tnp1, Spo11, Stra8; Sertoli cell: Amh, Aqp8, Cldn11, Clu, Ccnd2, Espn, Fyn, Inhba, Il1a, Rhox5, Testin, Sox9, Trf; Leydig cell: Hsd3b6, Star, Lhr, Pdgfa)について調べる。次に、経時的に精巣を摘出し電子顕微鏡切片を作成し、電子顕微鏡解析および免疫組織化学的解析により、ライディッヒ細胞やセルトリ細胞などの精巣組織の微細形態変化の観察を行う。 また、精巣内マクロファージの関与が明らかになって、精子形成改善に関与している精巣内免疫環境の変化と精子形成の機構を解明するため、精巣間質マクロファージの除去による精子形成改善効果を調べる。 FACS解析により、マクロファージの細胞数が増えていれば、次にクロドロン酸リポソームの投与によりマクロファージを除去し、精子形成への影響を検討し、マクロファージの関与について明らかにする。
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