今後の研究の推進方策 |
昨年度までにヒト投薬量を体重換算して5倍牛車腎気丸を含めた餌のみを用いて抗癌治療後精子形成障害の改善効果を調べた。今年度は1倍・3倍の牛車腎気丸餌の改善効果を調査する予定し、1倍・3倍牛車腎気丸餌と5倍牛車腎気丸餌の精子形成改善の差について比較検討する。 また、今まで証明した精子形成改善に関連する液性因子と細胞因子以外に、精子形成に関連する精巣間質のライディッヒ細胞と精細管内のセルトリ細胞に対する抗癌治療の影響についても調べる。4週齡C57BL/6j雄マウスにブスルファン(40 mg/kg)を腹腔注射あるいは放射線6 Gy照射後、120日まで経時的に精巣からRNAを抽出し、生殖細胞やセルトリ細胞、ライディッヒ細胞の関連遺伝子(Germ cell: Tnp1, Spo11, Stra8; Sertoli cell: Amh, Aqp8, Cldn11, Clu, Ccnd2, Espn, Fyn, Inhba, Il1a, Rhox5, Testin, Sox9, Trf; Leydig cell: Hsd3b6, Star, Lhr, Pdgfa)について調べる。次に、経時的に精巣を摘出し電子顕微鏡切片を作成し、電子顕微鏡解析および免疫組織化学的解析により、ライディッヒ細胞やセルトリ細胞などの精巣組織の微細形態変化の観察を行う。
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