PSCAは、全ゲノム網羅的関連解析で胃癌の易罹患性に関わる候補遺伝子として同定された。本検討ではてPSCA遺伝子多型は、胃癌発症の危険因子と考えられている胃粘膜萎縮重症度や腸上皮化生の発症に密接に関与し、HP関連疾患の易罹患性を決定する因子のひとつと考えられた。このPSCAの作用は日本人のみではなく、ブータン人を対象とした検討でも同様であり、HP関連因子や環境要因のみではなく、宿主側の遺伝的な要因として独立したものと思われた。 PSCA遺伝子のCT/TT型は胃癌発症リスクが高いと考えられ、胃癌検診でのスクリーニングを行うことや胃癌への進展を予防するために除菌療法を受けることが望ましいと思われる。
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